film批評宣言
クララ・シューマン 愛の協奏曲

クララ・シューマンの生涯は実に波乱に満ちていた。5歳で実母と離別、6歳に初めて人前でピアノを演奏し、父と確執の末にシューマンと結婚、そして夫と子供との死別。夫の没後は女手ひとつで7人の子供を育て上げた。しかし良き妻であり強く“肝っ玉かあさん”である以前にクララは、幼年期からリストと並ぶ天才ピアニストと称されてきたひとりの芸術家であることを忘れてはならない。加えてシューマンとブラームス。恋の舞台デュッセルドルフに3人の天才がつどったことは単にありふれた偶然などでなく、神業により音楽という共通分母で導かれた必然の運命であったと知るべきだろう。それぞれが互いに惹かれ慕い、それぞれに芸術を音楽を追究していったのである。
クララは終生に渡りピアニストとして音楽家の道を全うし、ロベルト・シューマンの曲を奏でて亡夫への変わらぬ愛を誓った。そしてまたブラームスの愛慕に応えるかのように彼の楽曲を弾き続けた。
エンドロールとともに流れるブラームス作曲・ピアノ協奏曲第1番ニ短調。美しい調べが耳に心地よく、3人の愛の協奏曲を静かに結ぶ。
('08/独・仏・ハンガリー '09/9月鑑賞 Bunkamura ル・シネマ)
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縞模様のパジャマの少年

ブルーノとシュムエルが交わす無垢の厚い友情に胸を熱くした。比べてわれわれ大人の友情の何と脆いことか。人はなぜ争い傷付けあうのか。あの頃の純真はどこに置いて来たのか。これほど子供の清廉に焦がれることない。二人が過ごしたひとときの想い出を私は決して忘れないだろう。
('08/英・米 '09/9月鑑賞 恵比寿ガーデンシネマ)
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